百合作品が充実している”本”ではいつも迷いますが・・・今月は「お嬢様とメイドの百合な日常 ~白いお屋敷のラプンツェル~」、「アステリズムに花束を 百合SFアンソロジー」を推そうかと。
まずは「お嬢様とメイドの百合な日常」・・・KTC様の百合ラノベシリーズの新刊ですね。
KTC様の百合ラノベシリーズは”百合である”という点では全く問題が無く、成人向け作品である事に抵抗が無ければ屈指の安定感を誇ります。
ただ・・・本シリーズを担当されているのがあらおし悠先生、上田ながの先生と2名しか居ない事も有り、マンネリ気味であるという指摘が有るのも確かでした。
そんな中で酒井仁先生という新しい”風”を入れて来たという事は、純粋に作品に興味を引かれるという意味は勿論、まだ本シリーズを続ける意志が感じられるという意味でも楽しみ。
新しい風を入れる事を試みつつも、あらすじなどを見る限りは”百合である”という点は守って下さっているようですし、安心感が有りつつも変化が有ったという結果に終わる事を期待したいですね!
以前に刊行されたSFマガジンの百合特集号の大反響を受けてか、ハヤカワ文庫様から百合作品ラッシュとも言うべき多数の作品が刊行されますが、その旗艦とも言うべき作品が本作ですね。
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「SFマガジン 2019年 02 月号」百合特集を読みました!件の「SFマガジン 2019年 02 月号」の掲載作に書き下ろしと思われる作品を加えた中~短編集で、まさにSF百合アンソロジーといった趣の作品となっています。
そんな本作の注目すべき点は”SF小説のアンソロジー=様々なSF百合を楽しめる”、”ハヤカワ文庫様の百合認識を確認できる”という点でしょうか。
SF百合が楽しめると言うのは勿論ですが、小説作品のアンソロジー自体がそんな多く無いという意味でも貴重。2019年6月現在、百合アンソロの刊行が多数確認されていますが、それらが漫画作品である事を考えると、本作は非常に新鮮です。
そして注目-興味深いと言った方が適切でしょうか-なのは本作が明確に百合としてハヤカワ文庫様が送り出したアンソロ作品だということ。
「SFマガジン 2019年 02 月号」を話題にした記事でも言及しましたが、ある種の”傾向”が強く感じられ見方によっては「こういった作風こそがハヤカワ文庫様が考える百合である」とも言えます。
これがハヤカワ文庫様の百合のスタンダードなのか、それとも偶々こうした作品が集中したのか・・・合わせて刊行される”ハヤカワ文庫様が百合作品として送り出す作品”と読み比べてみるのも、また一興でしょう。
※ハヤカワ文庫様が百合作品として同日に刊行する作品(基本的に新装版のようです)
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