2022/3/28 記事を追記、修正(アートブックについて言及)
パッケージ版の発売が告知されているメトロイドヴァニア系ゲーム「ENDER LILIES(エンダーリリーズ)」。この機会に意外に有った本作の百合要素を語ろうかと。
公式サイト
ENDER LILIES Official Web Site(エンダーリリーズ)まず先に述べておくと本作は基本的にメトロイドヴァニア系ゲーム・・・要はアクションゲームである事に加え、世界観が主人公以外は既に死亡しているというかなり絶望的な状況なので、作中でまともに百合要素は楽しめません。
・・・百合云々の前にまともに話をしてくれるのは相棒とも言える黒騎士さんだけですしね(T.T)

公式でも言及されていますが”穢れの魂となっても意識を保持し続けている”とあり、黒騎士は限りなく死者に近い存在です
では奈辺に百合要素が有るかと言うとゲーム本編で拾う事で読めるテキスト(誰かの手紙だったり、歴史書だったり)で明かされるキャラの心情など。
こうした”設定”で百合要素を楽しめるならば公式サイトの紹介だけでも百合脳人間ならば(笑)シーグリットとイレイェンは期待してしまいますし、実際に百合要素を感じさせてくれます。


白巫女リリィ=幼女を守るために最期まで奮闘したシーグリット
孤独から救ってくれた泉の白巫女”フリーティア”を救おうと努力したイレイェン
結果として二人とも友情的な百合を強く感じさせてくれました!
シーグリットは姉シルヴァに志願していた泉の白巫女の守り人の座を奪われた事も手伝って白巫女リリィを守るという想いを強く持っていた事が伺えますし、イレイェンは孤独から救ってくれた泉の白巫女”フリーティア”への想いを感じさせるのは勿論、最期にフリーティアを守るために魔法を発動させた記憶は切なく心に響きます。


白巫女リリィを守るという想いは勿論ですが、後述する姉シルヴァへの複雑な想いもシーグリットの百合的な魅力


シーグリットと同じくボスとして登場するイレイェンを倒し浄化する事で見る事が出来る最期の記憶
親友であるフリーティアを助けるために研究してきた場所を守るために結界を張ろうとする彼女の心情は切なく、百合要素を抜きにしても心を打ちます
そして・・・意外な伏兵だったのがシーグリットの姉シルヴァ!この人、”妹を溺愛している”とアイテムの由来などのテキストではっきり公式で明言されちゃっているんですが、色々と重いと言うか拗らせていると言うか。
まず先述したシーグリットから守り人の座を奪ったというのも、シーグリットを危険から遠ざけるためだったり。(当時は穢者との戦闘が断続的に行われていたようで白巫女の護衛になる=戦闘の危険が大きかったため)
で。この辺りまでならば色々と重いと言うか拗らせていると言うかと思いつつも妹を想う姉という家族愛的な百合という印象だったんですが・・・何かね、どうもこの人のシーグリットへの想いって粘っこいんですよ。
”最愛の妹”という表現はまだしも”いますぐ抱きしめたい”とか”私のものでいてほしい”とかそういった表現に関しては百合脳人間からすると恋情を抱いていたのでは?と思えるほど。

シルヴァ関連のテキストは当時の状況を危惧すると同時にシーグリットへの想いを綴った物が多く、姉から妹への家族愛的な感情とは別の感情を感じる事も
はっきりと明言されていない上にある種の仲違いをしたまま二人とも落命しているので、悲劇的な百合では有りますが・・・こうした設定などで百合要素を楽しめるならば-ゲーム自体の良さもあって-個人的にはお勧めしたいです。

生前は仲違いに近かったシーグリットとシルヴァですが、ゲーム本編では一緒に行動する(スキルセットする)事も可能
まぁイベントなどが有る訳では無いですが・・・これは気持ちの問題ですね(苦笑)
と百合的な良さを語った所でゲーム的な要素についても少し言及しておきましょうか。
ジャンル的にはアクションに探索や装備や成長などのRPG要素を加えたメトロイドヴァニア系という呼ばれる作品で、本作の場合は探索中にアイテム(装備品)やボスを撃破する事によって得られるスキルでより広く深くマップを探索していくという流れになります。


この手の作品ではお約束とも言える2段ジャンプや壁に張り付くスキルなどを得る事によって先に進めるようになっていきます
言い換えればアクションRPGとも言えますが・・・本作の場合は同ジャンルでは有名な「ブラッドステイント」などに比べるとアクション寄りでアクションが苦手だとちょっと辛いかも知れません。
回復薬を大量に作ったり出来る事やパッシブスキルや武器も豊富なのでボス戦などはアクションが苦手でも割とゴリ押し出来るため、その辺りは楽と言えば楽。お蔭で選択肢が少ない最初のボス戦がある意味で一番キツいかも?だったり(笑)
”レリック”と呼ばれる装備品は有りますが劇的に強化できるとは言い難いですし、奥義という必殺技も途中から使えますがそれだけで押し切れるほど甘くも無いので(苦笑)

攻撃力やHP回復できる回数などを増やせる装備(レリック)
HP回復回数を増やせる装備はかなり助かりますが、流石にゴリ押し出来るほど有利になるとは言い難いです


ボス(中ボス)を倒す事によって得られるスキルも多種多様
中には奥義を使えるスキルも有りますが、専用のゲージを溜める必要が有りますし高威力ながら流石にそれだけで押し切れるほどでは有りません
とは言え、基本的にボス戦の前にセーブポイントがある事やセーブポイント間を一瞬で移動できるファストトラベル機能がある、そして何より-少なくとも管理人がプレイしたNS版では-ロードが非常に短くテンポ良くリトライ出来る事もあってほとんどストレス無く進める事が出来ました。

今やっても苦戦するボス”ウルヴ”
でも上記の通りリトライ性が良いので、アクションがやりたくなった時に再戦する事もしばしば

正直ボス戦よりは道中の方がキツいと感じる事の方が多かったですね
特にこの毒霧が蔓延しているステージなどはもう通りたくない(苦笑)
またボス戦や特定のボスの記憶(ムービー)をセーブポイントでいつでも振り返る事が出来るのもポイント。この機能はアップデートで追加された機能らしいですが、個人的には素晴らしい追加機能だと思います。


ボス戦は単純にアクションとして楽しめる&その時には無かったスキルで戦えるのでまた楽しいですし、ムービーはボス毎の心情をまた見返せるので物語に浸れる良い機能です
強いて難点を言えばスキルポイントの振り直しが出来ない事でしょうか。本作ではボスを倒す事によって得たスキルをこれまた敵を倒したりや道中で拾ったりしたスキルポイントで強化できるのですが、全スキルをフル強化するにはポイントが足りなくなります。(正確には全ての拾得ポイントを回収して1週プレイするくらいでは足りないので2周目プレイや記憶によるボス再戦などを繰り返す必要がある)
強化する事によって使用感や威力がかなり変わって来るスキルも有るので、ここは振り直しもしくはラスボス直前で全スキルがフル強化できるくらいのバランスだったら嬉しかったです。


一度発動すると自動で敵を攻撃してくれる”西の商人”
レベルが高いと発射数がかなり増えますが、レベル1だと一発なのでかなり頼りないです(苦笑)
先述した通り、百合要素自体は途中で拾えるテキストに語られたり、ボスの記憶で垣間見える程度で格別に多いとは言えません。シルヴァやシーグリット、イェイレン関連のテキストに関しても格段に多い訳では有りませんし。
また演出的にもボイスや気合の入ったムービーなどが有る訳では無いので物語の演出という意味では、やや控えめ。
ただ絶望的な世界観ながら懸命にそれに抗った各キャラ達の想いは切なくも心を打つ物が有りますし、各ステージやシーンに非常にマッチした良いBGMがそうした物語を盛り上げてくれます。・・・お蔭で不気味なステージでは本当に息苦しくなるほどの不気味さを醸し出してくれますが(苦笑)
アクションゲームとしてはちょっと難しいと思いますがリトライ性が良く頑張り易いので、主人公が可愛く思えれば(笑)上述した百合要素がある事もあって是非お勧めしたい作品ですね。
限定版=アートブックが入手出来たので少しばかり話題に。
まず資料集として充分に楽しめます。キャラのイラストを紙でかつアップでしっかり見れるのは勿論ですし、ゲーム中に入手できるレリック(装備)やテキストもしっかり収録。
レリックやテキストに関してはゲームを起動すれば見返せますが、資料集として見れるのはやっぱり良いものです。勿論、様々なイラストも収録されており、文字通りアートブックとしても良いです。
また-もしかするとしっかり探せば既出orゲーム本編で言及されているかも知れませんが-各キャラに関してコメントが書いてあり、それがまた物語への理解や想像を広げてくれるのが好印象。
当サイト的に要注目はやっぱりシルヴァ姉さんですが、シーグリットにいつも付いて回っていたせいでシーグリットの守り人と皮肉られていた事や戦闘能力的にシーグリットよりも優れていると伺える文言など、決して多くは無いテキスト量ながら非常に興味深かったです。
※シルヴァの戦闘能力 改めてゲーム本編でボスとして対戦した事を思い出せば分かるのですが、シーグリットは物理攻撃一辺倒だったのに対し、シルヴァは魔法攻撃(飛び道具)も織り交ぜて攻撃してくる=文言通り遠近に対応できるという意味ではシーグリットより優れていると言えそうです


シーグリットは鉄球による物理攻撃一辺倒ですが、シルヴァは魔法攻撃(飛び道具)も織り交ぜて攻撃してくるため距離を離しても気を抜けず、万能性が高いという点でシーグリットより戦闘能力は優れていると言えそうです
また女性キャラではイレイェンの生前の顔イラストラフが拝めたのも個人的には嬉しいポイント。生前のどの時期のイレイェンを想定していたかは分かりませんが、隈の目立つダウナーな印象の顔になっており百合妄想家としては(笑)フリーティアを助けるために徹夜で研究を続けていたのでは・・・と思えますね。
ゲーム本編と同じくガッツリと百合要素がある訳では有りませんが、世界観を広げる&堪能できるという点で素晴らしい一冊でした。本作の作風が好みならば是非手に取る事をお勧めしたいです。
好きなゲームなのでレビューいただきうれしいです。
コメントありがとうございます!
記事を好意的に受け止めて頂き、ありがとうございます!
アクションゲームとしてはともかく、百合的な観点からするとちょっと強引な楽しみ方かな?という想いも有ったので楽しんで頂けた事にほっと一安心です。
コメントありがとうございました!
またお暇な時にでもお越し下さいませ。
それでは失礼致しますね。