2018/1/13 記事を追記、修正
「ラブライブ!」の2次創作として発表されつつも第4回ハヤカワSFコンテスト特別賞を受賞したという異色作。
経緯が特殊だからか、物語がぶっ飛んでいるからなのか、受賞作という栄誉に浴しながら紙書籍化していないというのも、また異色な作品。
※「エヴォリューションがーるず」などを収録した単行本(最後にして最初のアイドル)が2018/1/24刊行
物語がぶっ飛んでいると先述したが、凄まじい勢いで物語を読ませるパワーを持っており、最後に「・・・アイドルって何だったっけ?」と思わせる事請け合いな作品です(笑)
最初の意味深な文章から古月みかと新園眞織(「ラブライブ!」におけるにこちゃんとマキちゃん)の出会い、そして古月みかのアイドルへの憧れとそれに対する挫折と苦悩・・・。
ここまではある意味で普通のアイドルを目指す女の子のストーリーと言えるでしょうが・・・途中からどんどんと衝撃的な展開―おかしな展開とも言います(笑)―へ向かって行きます。
何せ比喩でも何でもなく人類は滅亡して行き、みかと眞織は人間を辞めますからねぇ。
そしてお話は宇宙や生物の成り立ちの域にまで達する事に。
う~~ん、SFってあまり良く知らないけど、何となく”SFらしい”壮大なスケールのお話で楽しい&笑えましたし、冒頭と最後の文章が纏まっていく様は圧巻。
途中に色々とツッコミ所・・・「それ絶対、アイドル活動じゃねぇだろ!」とか「バイオハザードも真っ青だよ!これ!!」とか有りましたが(笑)一気に読ませるパワーのある面白い作品だと思います。
百合としては・・・中々微妙な所では有りますね。
確かに百合要素を阻害する要素は有りませんし、眞織の異常とも言える愛がみかを「最後にして最初のアイドル」足らしめる切っ掛けを作ったのは好印象です。
ですが中盤辺りで眞織は退場してしまい、それ以降はみかも”アイドル活動”だけに専念してしまうため、物足りないというのが正直なところ。
みかが人間を超越した”アイドル”になっていくのがお話の本筋なので、そういった人間的感情の最たる物である”愛”が段々と脇に行ってしまうのは仕方ないかも知れませんが・・・もう少し百合要素を掘り下げて欲しかったところでは有ります。
ネタバレると面白さが半減するタイプの作品なので、あまり言及しないようにしていますが苦手な人が多そうな要素があるので少し補足。
「バイオハザード」、「永い後日談のネクロニカ」、「ゾンビ屋れいこ」etc・・・こういった内容の作品の表現を想像して「無理!」と思う方は読むのを避けた方が良いかも?です。
まぁ挿絵は無いので視覚的にいきなりショックを受ける事は無いでしょうが・・・作中にもある通り”アイドル活動”は過酷で厳しいのでファンたる読者もまたそれなりの覚悟が要る、と言う訳でしょうね(笑)
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