(え)ENDER LILIES

ゲームゲーム百合的感想 あ~お行
対応ハード PS4、NS、XBOX、steam(PC)
ゲームジャンル 2DアクションRPG
プレイ人数 1人
発売日 PS4:2021年7月20日(パッケージ版2022年3月24日)
NS:2021年6月22日(パッケージ版2022年3月24日)
XBOX:2021年6月29日
steam:2021年6月21日
百合要素の傾向 姉妹、友情、ややおねロリ
公式サイト ENDER LILIES Official Web Site(エンダーリリーズ)
関連サイト
備考 管理人がプレイしたのはNS版のDL版

ENDER LILIES ローンチトレーラー【日本語版】

短評
  百合要素について テキスト主体ながらシルヴァ&シーグリット姉妹などの関係性に百合要素有り  

ジャンルがアクションRPGであること、世界観設定として主人公リリィ以外は既に死亡しているという設定である事もあってゲーム中でまともに百合要素は楽しめません。

ではどこに百合要素が有るかと言うと作中で読む事が可能な資料中のテキスト。その中には舞台となる”果ての国”の歴史であったり、個人の心情が綴られた手記や日記であり、そこに強い感情が込められているものがいくつか有ります。

公式サイトでも紹介されているシーグリット、イレイェンはそれぞれ

  • ”白巫女を守る”守り人”の座を姉に奪われつつも、守護していたリリィに心を救われた”
  • ”周囲の期待などから孤独に陥っていた所を白巫女フリーティアに救われた”

という過去が有った事が伺えます。

その様の一端はボスとして登場した彼女達を打倒し浄化してあげる事でムービーとして見る事が出来、その心情は百合云々を抜きにしても心を打ちます。

「ENDER LILIES(エンダーリリーズ)」NS版より
白巫女リリィを守るという想いが伝わって来るシーグリットの最期の記憶
結末は悲劇的な物では有りましたが、その想いは切なくも尊いです

「ENDER LILIES(エンダーリリーズ)」NS版より
苦しい状況にあった親友のフリーティアを助けるために研究してきた場所を守ろうと結界を張ろうとする彼女の心情もまた切ない物が有ります

そして上記2人だけでも親愛、友情という意味での百合要素は有ると言えるのですが本作の百合要素を決定付けているのはシーグリットの姉:シルヴアのシスコン振りでしょう。

その想いは凄まじく公式サイトで紹介されていない=事前に情報を得ていなかった事もあり、管理人に取っては意外な-でも嬉しい(笑)-伏兵でした。

資料の数は決して多くは無いシルヴァ関連のテキストですが、その少ない中に”いますぐ抱きしめたい”とか”私のものでいてほしい”といった文言が有り、百合脳人間からすると恋情を抱いていたのでは?と思えてきます。

「ENDER LILIES(エンダーリリーズ)」NS版より
姉妹愛と言うべき感情かも知れませんが、管理人の感覚からすると粘っこさのような想いが感じられ、恋情のような執着を感じさせる資料でした

で、またこうした感情が姉妹愛にせよ、恋情にせよ”最愛の妹であるシーグリットを危険から遠ざけるために守り人の座を奪った”という辺りが拗らせている感が凄く、百合好きの心を刺激してくれます(笑)

まぁ仲違いとも言える関係性のまま最期を迎えてしまったと思うと辛い物が有りますが・・・設定的にどうなのかは分かりませんが、浄化されて仲間(スキルとして使用可)になった後に何らかの交流が出来ていたとしたら和解出来ていたのかも知れません。

「ENDER LILIES(エンダーリリーズ)」NS版より
敵として登場した彼女達も打倒して浄化するとスキルとして使用=仲間になりリリィと一緒に戦ってくれます
ただ意識が有るかは不明(どちらかと言えば無い可能性の方が高い)で、想い人と一緒でも特に変わった反応は見せてくれません

分かり易いイチャイチャなどは有りませんが、こうしたテキストから読み取れる設定や関係性で百合妄想できる人に取ってはかなり楽しめる内容と言えるでしょう。

それに物語自体もある意味で女性同士の助け合いという側面も有るので、そういう意味でも深読みできる方ならば大いに楽しめるかと。

  お話自体について ダークながら切ない物語を高い完成度のアクションと共に楽しめる  

物語としては”生きとし生けるものを狂暴な生きる屍”穢者(けもの)”へと変貌させ死の雨が降り続ける果ての国にて目覚めた少女リリィが失われた記憶を求めて旅する”というダークファンタジーで先述したように悲しく切ない、でも滅びの運命に抗った人達の想いを強く感じられる物語となっており、結末こそ手放しのハッピーエンドでは無いものの味わい深い展開を楽しめるでしょう。

翻ってゲーム的に見るとアクションに探索や装備や成長などのRPG要素を加えたメトロイドヴァニア系という呼ばれる作品で、本作の場合は探索中にアイテム(装備品)やボスを撃破する事によって得られるスキルでより広く深くマップを探索していくという流れになります。

傾向としてはアクション的な要素が強め・・・レベルや奥義、装備品であるレリックは存在しますが、それらを強化や収集してもゴリ押しでクリア出来る程には強くなれず、ある程度のプレイヤーの腕が要求されます。

「ENDER LILIES(エンダーリリーズ)」NS版より
スキルやリリィ自体のレベルは存在しますが、そうした能力アップだけでゴリ押し出来る程には強くなれないバランスとなっています

「ENDER LILIES(エンダーリリーズ)」NS版より
一部のスキル(仲間)が持つ奥義
非常に強力ですが、これだけでボスに勝つのは無理なので、やはりボスの攻撃を避けてこちらの攻撃を当てていくスキルが必要になります

そういう意味ではシビアと言えますが-少なくとも管理人がプレイしたNS版では-ロードが非常に短くテンポ良くリトライ出来る事やファストトラベル機能、ボス戦の前の区画にセーブポイントがある場合がほとんどである、などの要素によって繰り返しプレイする=練習がしやすくなっており挫折し辛いように配慮されているのは好印象。

まぁクリアした今でももう通りたくない道中や中々勝てないボスは居ますが(苦笑)

「ENDER LILIES(エンダーリリーズ)」NS版より
今でもトラウマな毒霧地帯
敵も強力で個人的には一番苦戦した地帯です

「ENDER LILIES(エンダーリリーズ)」NS版より
今でも苦戦するボスの一人”ウルヴ”
まぁ他のボスでも苦戦するんですが(苦笑)

あとこれは文章では上手く伝え辛いですが、アクションゲームにおける”手応え”に違和感が無い・・・敵の攻撃に被弾した時に自分で「あ、これは当たるな」という事が分かる、認識していない形で被弾する事がほとんど無いという点でも好印象ですね。

  注意点について スキルの振り直しが無い、演出面は控えめ  

注意点としては、百合的には上述したようにシステム的に、そして直接的な百合要素の描写がないこと。ゲーム的にはスキルを強化するためのポイントが少ない・・・具体的に言えばラスボス直前にマップ上にある大量ポイントを全て回収しても全スキルをフル強化できない事でしょうか。

一応、ボスとの再戦機能などでポイントを稼ぐ事自体は出来るのですが、その量はかなり少なく1周目のプレイで全スキルをフル強化するのは難しいです。

レベルアップする事で威力など使用感が変わって来るスキルも多いので、この辺りはポイントの振り直しなどがあると良かったと思います。

「ENDER LILIES(エンダーリリーズ)」NS版より
一度発動すれば弾切れor引っ込めるまで自動で攻撃してくれる”西の商人”
レベルを上げると弾数が増えて頼もしいですが、初期レベルだと1発しか撃ってくれず頼りないです(苦笑)

あと演出面やボリュームは控えめ・・・キャラボイスなどの音声や凝ったムービーも無し、プレイ時間も3種類のEDを全てクリアしても20~25時間くらい(上手い人ならあまり苦戦しない=クリアまでが早くなるでしょう)となっております。

ただ元々が3,000円以下という価格帯の作品であり、背景の美麗さやBGMの良さ、アクション性がしっかり作り込まれているという事を考えれば、この辺りまで充実しているのを期待するのは酷と言う物だと思います。

  結論について テキストや設定で百合を楽しめるならば切ない物語と良好なアクションを楽しめる良作  

百合要素がテキストや設定といった要素がメインであるため百合目的だけでプレイするのは厳しいと思いますが、純粋にゲームとして切ない物語と良好なアクションを楽しめる事から、総合的には良作だと思います。

実際、管理人も公式サイトに掲載されている紹介でシーグリットとイレイェンに百合要素があれば良いな~程度だったのですが、ゲームとして面白いのと単純にリリィが可愛かった事もあって(笑)、百合云々を差し引いても熱中しましたから。

まぁそれだけに予想通りシーグリットとイレイェンに親愛的な百合要素、そして伏兵とも言えるほどに強烈なシスコン振りを見せてくれたシルヴァお姉さんが居たのは嬉しい誤算でしたが!

哀しくも切ない物語と2Dアクションが好みならば百合要素のある設定を楽しみつつ楽しくプレイ出来る良作だと思います!

※限定版(アートブック)について

DL版から約8ヵ月ほど経って発売されたパッケージ版ですが、その限定版に付属されているアートブックについて少し言及をば。(サントラも付属していますが、ゲーム本編のBGMが素晴らしい=これも素晴らしい特典です)

まず資料集として充分に楽しめます。キャラのイラストを紙でかつアップでしっかり見れるのは勿論ですし、ゲーム中に入手できるレリック(装備)やテキストもしっかり収録されているなどアートブック、設定資料としての基本はキッチリ抑えられています。

そんな中で一番の注目ポイントは各キャラについて言及されている補足情報ですね。テキスト量は決して大量と言えるほどでは無いものの非常に興味深い・・・例えばシルヴァはシーグリットにいつも付いて回っていたせいでシーグリットの守り人と皮肉られていた事などが明かされており、各キャラの過去や関係性などについて様々な想像をまた広げる事が出来る内容となっています。

限定版用パッケージのイラストもゲームクリア後に俯瞰して見ると、またメッセージ性の強い物となっており(これも見方によっては百合的に美味しいイラストです)、限定版だけに入手し辛いかも知れませんが是非ゲーム本編と合わせて楽しんで欲しい内容となっていますね。

「ENDER LILIES(エンダーリリーズ)」限定版パッケージ画像より
アートブックとサントラは勿論ですが、限定版パッケージイラストも素晴らしいです
純粋なイラストとしては勿論、ゲームクリア後に見返すと「ENDER LILIES」の物語自体を表現しているのがよく分かるのが、また素晴らしいです

©BINARY HAZE INTERACTIVE Inc.

当サイトの関連リンク

ゲーム 百合的感想 タイトル一覧ページ

コメント

タイトルとURLをコピーしました