※旧サイト(FC2ブログ)より転載、修正、追記
※管理人が購読したのはⅠ、Ⅱ巻で分割販売されたスニーカー文庫版です。
さて、以前にオススメして頂いた「あるゾンビ少女の災難」。遅まきながら読了しました。
で、まずは言いたい事が一つ。
「本当に災難だったのは寮の管理人さんやーー!」
・・・オススメして頂いた際に「ユーフロジーヌ(ゾンビ少女)がうっかり人を殺したりする」と言うお話は伺っていましたが・・・おっちゃん、マジで災難過ぎる(。´Д⊂)
と、話がいきなり迷走・・・と言うか転倒しましたねr(^^;)
さて、真面目に話しますと、この作品は正味のゾンビホラー作品です。
ラノベ版の可憐なイラストやユーフロジーヌの口調と性格に騙されそうになりますが・・・本作はゾンビホラーです。
なので孤立無援の場所で、人間が酷い死に方をします。銃殺などは可愛い方で、腕をもぎ取られた挙句に頭を潰されたりとか(ゾンビサイドのユーフロジーヌも頭が吹っ飛んだりしますが)・・・先述したようにゾンビホラーなテイストが満載。
またユーフロジーヌ&アルマの二人は過去の経緯から、人間に対し敵であると言う認識を持ち、基本的に殺害する対象としています。(特にアルマ)
こういったゾンビ(人外)サイドと人間サイドに和解の余地が無いと言う点でも、ゾンビホラー作品と言えます。そのため、こういったゾンビホラーの要素が苦手な方は要注意でしょう。
と、上記のような事を書くと百合要素が奈辺にあるのか分からない作品のようですが・・・これは以前に訪問者様に教えて頂いた通り、ユーフロジーヌとアルマの主従関係ですね。
普段は軽口を叩きながら主人であるユーフロジーヌを手玉に取っているアルマですが、彼女からの贈り物を大切にしていたり、重要な局面では彼女に「わたくしのお嬢様」と言ったりと、並々ならぬ愛情を持っている事が伺えます。
またユーフロジーヌもアルマを傷付けられた時の怒りは凄まじく、それまでは殺人を躊躇していましたがその後は復讐の殺人鬼と化します。しかも、その様は怒り狂いながらも狂者特有の冷静さを併せ持ち、恐怖と同時にアルマへの愛情を強く感じさせます。
また、こういった後半部分の重いエピソード以外も百合百合しい所があります。
例えばユーフロジーヌの腹中にある石の有無を確認するために、アルマがお腹を覗き込んだりするシーン。
「やだ、壊れちゃう」とか「(ユーフロジーヌの腹中を見れて)眼福でした」とか! 挿絵イラストと合わせて妙にエロいですw
あと必要に迫られてですが、二人のキスシーンもありますね。(こちらも挿絵イラストが妙にエロいw)
唯一マイナスな要素として、作中でアルマが「お嬢様との同性愛的な関係は断固として拒否します」と言う場面があります。
まぁ、これは二人の軽口の応酬で出てきた言葉ですし、この後に「私の唇を奪ったのに」みたいな事を言ったりするで、百合妄想を決定的に妨げる物では無いと思いますが・・・ちょっと残念ではあります。(百合が前提の作品ではないので、こういった言動が出てもおかしくは無いのですけどね)
まとめるとお話的にも百合的にも楽しめました。
ただ・・・設定で素直に楽しめない点が。
例えば人間サイドで由衣と言うキャラが登場するのですが、このキャラの設定がどうしても納得いかないんですよね。
このキャラは、生身でしかも格闘でユーフロジーヌに対抗できるほど強いのですが、それは講座で空手や拳法をやっていたからと言う理由なんですよ!
いやいやいや!幾ら身体強度は人間とさほど変わらず、かつ心身ともに戦闘の心得が無いとは言え、アルマ曰く「アフリカ象を殺せる」ユーフロジーヌと互角に戦えるキャラクターの設定がそんな設定と言うのは・・・。
このキャラ以外にユーフロジーヌに対抗したキャラクターは、その強さの設定にある程度の説得力を感じましたが・・・。流石にこれはもうちょっと説得力のある設定にして欲しかったと思いました。
またアルマの身体に関しての重要な設定-アルマの命に関わる設定-がアルマ自身によって語られるのですが、最終的にその設定に関するフォローがありません。
状況的にアルマの嘘であった可能性も高いですが・・・それなら明言して欲しかったところです。
以上でしょうか。人を選ぶ所が強い作品ではありますが、ユーフロジーヌとアルマの主従関係は百合的に充分に楽しめる作品だと思います。
あ、あと2012年冬に「あるゾンビ少女の入学Ⅰ+Ⅱ」が発売されるそうです。
ラストシーンの事を考えると-恐らく続編である-この作品のタイトルは自然な流れではありますが・・・こちらは百合的にどう転ぶか未知数です。
こちらも購読しようと思うので、その時は記事にしたいです。その頃にはアニメ化に関する情報も出始めているでしょうしね。
当サイトの関連記事
あるゾンビ少女の入学 – 百合ゲーム時々、他事語り第1巻 公式サイト(試し読みページ)
あるゾンビ少女の災難 I | あるゾンビ少女の災難 | 書籍情報 | スニーカー文庫(ザ・スニーカーWEB)アニメ公式サイト
ラノベ版発売から5年以上も経過してようやく公開されるという(苦笑)
あるゾンビ少女の災難『あるゾンビ少女の災難』予告編
あるゾンビ少女の災難 アニメ化決定特報PV
2012年に公開されたPV。個人的にはこちらのキャラデザインの方がイメージに合っていたんですけどね(苦笑)
元々は2007年発売のハードカバー本だったのが、アニメ化決定に合わせてラノベとして1、2巻として発売されたようですね。