"魔法"と"戦争"をテーマにした作品であると同時に、紛う事無き魔女イゼッタとフィーネの物語。詳細は順に書いて行きますが、百合要素に関しては完全に安心出来る百合アニメです。
まず肝心要の百合要素ですが、魔女である主人公イゼッタと親友であり主とも言えるフィーネの関係は―恋愛とは明言していないものの―百合と断言できるレベル。
特にイゼッタのフィーネへの献身は病的とも言えるレベルで、第11~12話は百合作品全般から見ても凄まじい物が有ります。
対するフィーネもイゼッタへの愛情を確かに持ち、為政者としての高潔さと冷静さを併せ持つフィーネがイゼッタの事に関しては冷静さを保てなくなる場面が多々有るのは百合的には好印象と言えるでしょう。
と、上述したように百合的には文句無しと言える作品でしたが、お話としては賛否が分かれそうな印象でした。
そう感じた原因は、もう一人の魔女にして古の伝説の白き魔女ゾフィーの存在。
これはゾフィーの扱いが酷く苦々しい印象を与えるという心情的な物に加えて、彼女の登場によってそれまでに有った魔女イゼッタVS近代兵器(ゲルマニア軍)という構図が根底から覆されたこと。
この展開は古の魔女ゾフィーの復活というインパクトは強烈で、それはそれで面白かったものの、それまでに築き上げて来た面白さ・・・「シン・ゴジラ」じゃないですが 魔法・魔女という虚構 VS 近代兵器・近代戦術というリアル という面白さを完全にひっくり返してしまいました。
特にそれまでの駆け引き・・・例えば
フィーネ(エイルシュタット)側はイゼッタが力を使えない"レイライン"外の場所をどう防衛するか
イゼッタの秘密(レイライン上でしか魔法を使えない)をどう守るか(どう奪取or分析するか)
- "魔女"という武力を得たエイルシュタットの国際的な立場 特に作中ではアトランタ合衆国が不穏な動きを見せていたこと
といった要素がほとんど意味の無い物になってしまった。
またゾフィーが復活したのは―現代でも研究段階である―クローン技術、しかもゾフィー個人の記憶が戻ったのは同じ魔女であるイゼッタの血を飲んだからという不思議設定。
ここまで来ると最早、何でも有りの状態で当初の駆け引きは一体何だったんだという感が有ります。
そのためゾフィーの復活という急展開、カタルシスを面白いと取るか、緻密な駆け引きをぶち壊しにされたと取るかで賛否が分かれそうだと感じました。
まぁ色々書きましたが、結局は見るべき!ですね(笑) 何せ百合的には全く問題は無いですもん(笑)
若干後味が悪い展開も有りましたが、それらを加味しても百合的には問題無し。
当サイトを訪れる方に取っては充分にお勧め出来る作品と言えるかと!
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