今月推したいのは「でこぼこ魔女の親子事情」です。

公式ページ

でこぼこ魔女の親子事情 | COMICメテオ

当サイトではこれまでもちょくちょく話題にしていますが、魔女であるアリッサとその娘であるビオラの親娘百合コメディ漫画ですね。

ビオラは捨て子である＝アリッサとは血の繋がっていない義理の親子という、設定的にはシリアスな要素は有りますが、記事執筆時点ではほぼコメディ寄りで、ビオラのマザコン振りも相まって非常に笑わせてくれる作品となっています。

百合的にはコメディ寄りである事もあって、あくまで重度のマザコンという感じで恋愛寄りなニュアンス薄いです。ですが、ある種のデートでも終始アリッサの事しか興味無いとしている辺りは百合好きとしては面白い＆安心出来るのは◎です(笑)

お話としては二人の面白可笑しく、かつほっこりする時もある日常という感じながら、先述したようにビオラが捨て子であるというシリアス＆有る種の謎(何故捨てられたのか？ 血の繋がった親は誰？)もあり、コメディだけでない要素が有るのも楽しみ。

勿論、お話の本筋はアリッサとビオラの親娘関係とその日常では有るので、もしそれが謎のままでも、それはそれで良い気もしますけどね。

2020年4月は「田所さん」を推したいと思います！

公式サイト

田所さん：コミックヴァルキリー

”お嬢様と地味子に恋をした！？”がキャッチコピーですが、その通り序盤からお嬢様”二階堂 桜子”が”田所 陰子”への好意はかなり高く、桜子のお嬢様然とした見た目とのギャップも相まってお話としても、百合としても楽しいです。

と、この時点でも非常に良いのですが、本作は現在公開されているWeb分＝お話が進むと桜子と陰子はブッチギリで恋仲のイチャラブ状態になっているのが大きなポイント。

ここでも桜子の妄想や想いが強烈なのが面白い所でありつつも、そんな桜子を陰子も受け入れているのが、また良いですね。

所々でコメディチックになりながらも直球の百合漫画であり、読み易くて百合をしっかり楽しめるという意味で今後も長く楽しみたい作品です！

今月、管理人が把握している範囲で推したい作品は「こわれたせかいのむこうがわ」、「神城リーリャは白百合の香りに恋焦がれる」ですね。

「こわれたせかいのむこうがわ」公式サイト

こわれたせかいのむこうがわ 〜少女たちのディストピア生存術〜 | 電撃文庫・電撃の新文芸公式サイト

「神城リーリャは白百合の香りに恋焦がれる」公式サイト

神城リーリャは白百合の香りに恋焦がれる - DIVERSE NOVEL（ディヴァースノベル）

試し読みも公開されている「こわれたせかいのむこうがわ」ですが、百合的には主人公フウとヒロイン：カザクラとの関係が期待を持てるところです。

試し読みの時点ではフウとカザクラが出会って二人で行動し出す辺りで終わるので、百合的にどこまで踏み込むかという点では未知数ですが・・・カザクラの

「多分、お兄ちゃんが私を求めているように感じたから」

「うまく言えないけど、お兄ちゃんは私と同じで寂しそうだったから」

「一人でいるのが辛そうだった。私の事を受け入れてくれそうだった。だから、ちょっと無理した」

と言うセリフは中々に響く物が有りますね。

お話としては得た知識を”生き抜いていくための力”・・・需要と供給のバランスを考えて商売をする辺りなどは非常に興味を引かれ、純粋に面白そう。

上記の例は読者としては割と浸透した知識な感は有りますが、世界観が荒廃している事や知識の供給源であるラジオがフウの収入の大半を使ってようやく得られた物である事を考えるとリアルな”重み”が有って好印象であり、百合的な期待は勿論、一つのラノベとして期待したい作品です。

管理人が把握している範囲では試し読みなどが見つかりませんでしたが、あらすじを見る限りストレートな－匂いフェチという設定はちょっと濃いですが－百合ラノベですね。

で、ここで注目したいのはレーベルが「ノクターンノベルズ」＝成人向け作品を中心に刊行するレーベルであること・・・つまりKTC様以外の百合ラノベが刊行される訳ですね。

公式サイトを覗くとまだ刊行されている作品は少なめであり、その状況下で百合作品を刊行するという事は、レーベル側としてはある程度強い期待を持っていると思われ、そういう意味では作品その物の内容は勿論、KTC様以外で成人向け百合ラノベが定着するかという意味でも気になるところ。

百合ノベルも充実してきた昨今ですが、管理人が把握している限り成人向けノベルではKTC様以外は安定して刊行していないようなので、本作が新たな成人向け百合ラノベレーベルの嚆矢となる事を期待したいです！

管理人が把握している範囲で2020年2月の注目本は「蒼百合館の夜明け」ですね。

KTC公式サイト

KTC - KILL TIME COMMUNICATIONの公式Webサイトへようこそ！

KTC様の成人向け百合ラノベの新作ですね。

KTC様の成人向け百合ラノベは安心安定した作風で成人向け百合ラノベとして一定の評価を維持し続けており、老舗の感すら漂うレーベルですが、一方で作家さんがあらおし悠、上田ながの先生の両先生しか執筆されていない状況が続き、マンネリ化しているのでは？という意見も散見されています。

そのためか最近はあらおし悠、上田ながの先生以外の作家さんも執筆されていますが、まだ作品数も少なく、評判も賛否が分かれている感が有ります。

そんな中で発表された「蒼百合館の夜明け」ですが、執筆されているのがKTC百合ラノベ初登場の人間無骨先生である事に加えて、成人向けらしかぬ雰囲気の表紙、あらすじである事が非常に興味を引かれます。

表紙もそうですが、あらすじも

二人だけの場所 二人だけの時間

親の抑圧から逃れたくて塾を抜け出した詩月は、幽霊が出るとウワサの廃洋館で、嫣然としたお姉さん――光紗と出会う。

独りぼっちの光紗と、自分の将来に悩む詩月。二人は互いの孤独と懊悩を分かち合い、惹かれ合っていく。

しかし、光紗の過去には重大な秘密があり……。

と、一発で成人向け作品だと分かる表現は見当たりません。

百合作品では成人向け要素はそれほど濃く無くても良いという風潮を感じる時は有りますが、成人向け作品でこれほどマイルドな仕上がりになるのはちょっと驚きです。

先述したようにKTC百合ラノベはあらおし悠、上田ながの先生以外の作家さんによる執筆など、新しい展開を模索している印象が有りますが、今作のような成人向け要素を抑えた印象の作品が出て来るのも、その一環のような印象が有りますね。

KTC百合ラノベは成人向け百合ラノベという希少なレーベルである事は勿論、定期的に刊行されているという点でも稀有な存在。本作を含めた一連のこうした展開が奏功し、更なる発展を期待したいという点でも本作は注目したい作品の一つです。

今月、管理人が把握している範囲で推したい＆興味を引かれるのは「恋する名画」ですね。

web掲載ページ

恋する名画 無料漫画詳細 - 無料コミック ComicWalker

基本的には全く違うキャラや設定の作品の短編集・・・ある種の百合アンソロ的な作品ですね。

で、興味深いのはモチーフとして”名画”が用いられていること。

管理人が名画についてあまり知らないので純粋に興味深いという点は勿論ですが、名画のバックボーンなどを無理に作品に落とし込まず、あくまで一つの絵として見た瞬間を作品に落とし込んで百合漫画としているのが面白いです。

なので、後で解説を読んで絵画のバックボーンなどを知ってから本作を読むと、また違った味わいが有り、百合漫画としても、純粋に一つのお話としても楽しめるのが良いですね。

名画は様々な作品が有りますが、それを百合漫画のモチーフとしてどう活かすのか、という観点で考えると、これから名画を見る目が変わる、という意味でも新しい境地を見せてくれる非常に興味深い作品。

色んな百合エピソードを見れるのも楽しく、長く続いて欲しい作品の一つです。