「コールミー・バイ・ノーネーム」を読んで見ました!

以前に訪問者様より情報を頂いた「コールミー・バイ・ノーネーム」を読了したので話題に。

試し読みページ

Dropbox – sample_cmbnm.pdf – コールミー・バイ・ノーネーム

百合的には 最初は距離を取ろうとしていた愛が琴葉へ惹かれていく様が◎

あらすじや試し読みをチェックすれが分かりますが、恋人という関係からスタートするも主人公:愛はヒロインである琴葉と恋愛関係を-惹かれながらも-積極的に築こうとはしません。

また、琴葉が不特定多数の男性と関係を持っている事からして、”恋愛(肉体関係)よりも友情の方が良い”とする物語なのかな、と読み始めは思っていました。

が!

お話が進んでいくに連れて愛は恋愛対象として琴葉に惹かれて行き、琴葉もそんな愛を受け入れて行きます。

作中で愛が「恋愛は本当にアホなんだよ、もう既に気が狂ってる自覚がある」と発言していますが、愛の琴葉への想いがどんどん深まっていく様は百合好きとしてはかなりニヤニヤします。

何せ作中では琴葉との”行為”について


「・・・何や、やけに上手くなっとるわ」

「え? 本当に!? もっとやる!? あ、もう先進んでいい!?」


とか

「メグちは色々ねっとりしとんのよ。」

とか、結構際どいと言うか艶やかなやり取りもしてますからねぇ。

と、ここだけ書くと愛が色ボケてるみたいに見えますが(苦笑)、精神的な面でのやり取りや繋がりも非常に良いです。

特に終盤、愛と距離を取ろうとした琴葉から挑発的な言葉を掛けられた際に


「そんな出来合いの拒絶で納得出来るなら、私はここにいない」

「そんな煽りで引き下がれるような執着だったら、そもそもこんなことはしてないんだよ」


と愛が答えたシーンは非常に印象的でした。このシーンでは結果的に愛は一旦引き下がってしまうのですが、でもこのセリフが有ったから絶対に琴葉を諦めないだろうな、と思えたので。

お話として 理不尽に抵抗する女性のお話

本作を一つのお話として見た場合、まずは勿論”愛と琴葉のラブストーリー”となりますが、別の面から見ると”理不尽に抵抗する女性(琴葉)のお話”となります。

ここは詳しく書くとネタバレになってしまうのですが、作中で少しずつ匂わせているように琴葉には辛い過去が有ります。

それが琴葉が改名に至った理由であり、自身も惹かれ結ばれつつも愛と距離を取ろうとした理由です。

そういう意味では非常にシリアスかつ辛いお話と言え、そこは人を選ぶかも知れません。

ですが、だからこそ琴葉の過去という”謎”に引き込まれる面がある事や愛と琴葉の関係がより強く感じられる面が有るのも確か。

特に琴葉のちょっとした違和感を感じさせる言動は全て伏線と言えるものとなっており、そうしたある種のミステリ要素は秀逸で、後で「そういう事だったのか」と思わせてくれます。

結論 ちょっと人を選ぶかも知れないが、良質な百合ラブストーリーが楽しめる

琴葉が愛と出会うまで多数の男性と関係を持っていること、琴葉の過去が辛くそして理不尽な目に遭っていたこと。

こうした要素を見てみると明るく楽しいだけのお話とは言えず、ちょっと人を選ぶかも知れません。

ですが上述したように琴葉は愛と出会った後は男性とは関係を持ちません・・・と言うか、ちょっかいを出した男はドロップキックやボディブローを食らって沈んでいますし(笑)、理不尽な目に遭いつつも琴葉は強く有ろうとし続けています。

そして何より愛と琴葉の関係という意味ではハッピーエンドと言って良い終わりを迎えたのは確かです。

作中で琴葉と愛の関係を知った愛の友人が



「私は琴葉ちゃんのこと愛ちゃんにぴったりだと思うけどな。色々彷徨した末に運命のお相手を見つけるのってスペシャルいいパターンでしょ?」

と言っていますが、読み終えた後に思えばこれほど本作を表したセリフは無く、本作が良質な百合ラブストーリーだという事を改めて感じさせてくれます。

結論として、ちょっと人を選ぶ点は有るかも知れませんが、百合的には素晴らしい展開と結末を迎えるので個人的には非常にお勧めな作品と言えるかと!

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