訪問者様より尖った百合ゲーを目指している「早咲きのくろゆり」のCF企画が開始していると教えて頂いたので話題に。(情報ありがとうございます!)
CF企画ページ
※記事執筆中に目標金額を達成されています!
【フカヒレ原案・原画×百合ADV】「早咲きのくろゆり」製作プロジェクト - CAMPFIRE (キャンプファイヤー)
早咲きのくろゆりオープニング
イラストや雰囲気、コンセプトは素晴らしいが”尖った”要素がどう刺さるかの判断が難しいかも?
百合的には男性キャラの存在をどう捉えるかが好みの分かれ目になりそう
まず目を引くのが原案も担当されているフカヒレ氏のイラストですね。流石に各所で活躍されている&百合要素のある作品のイラストも担当された事もあるためビジュアル的な魅力は非常に高いです。
またOPを見る限り、背景や楽曲など総合的なビジュアル・・・ちょっと強引な言い方をすると”雰囲気”は百合ADVとしての完成度への期待感も高いと思います。
ただ・・・本作は”尖った”百合ゲーを目指しているという事で下記のような要素が有り、そこの判断は色々と見方が分かれそうな印象は有ります。
- 「選択肢とは?」を問う独特な選択肢自由入力システム
- 「男の子がいる」からこそ際立つ、女の子同士の切なくも色鮮やかでリアルな心の機微
まず見方が分かれそうなのはやはり男性キャラの存在。男性キャラ登場=百合では無い、と言うのは流石にナンセンスに過ぎますが、昔はあっさり百合キャラが男性キャラに意中の人を取られるという展開が良く有った事もあり、古傷が疼く方は多いでしょう。
勿論、今は2022年なので制作サイドもその辺りは分かっていらっしゃるようで以下のような補足が記されていますが。
本作の各章では悲劇的な結末を迎え、それをループすることで回避することがゲームのサイクルになっています。 悲劇的な結末の中には様々な思惑の末に三角関係が悪い方向に決着がつく場合もあります。
花は上記の通りその悲劇的な結末を回避することができます。
しかし、花はそれを回避することが「好きな子への幸せ」に繋がるのか、自分の好きからくる行動はひた隠すべきなのでは…と悩み苦しむのです。
あなたはそんな花の背中を押すためにシステムを駆使し、二人を繋いでいくことができます。
つまり本作の世界観は花のセンチメンタルな患いをリアルに演出・構築するためのものであり、決して胸糞なシチュエーションを行うためのものではありません。
そのため訪問者様は男性キャラは「神無月の巫女」のソウマのような感じなのかな?と想像されていました。(管理人個人も百合作品でヒロインに好意を寄せつつもファンから好意的に見られる男性キャラというとソウマのイメージですね)
個人的な印象としてはあなたはそんな花の背中を押すためにシステムを駆使し、二人を繋いでいくことができます。といった文言がある事を考えると、花の恋が上手く行かないバッドエンド的な終わり方も有るが、樹と結ばれるハッピーエンドもちゃんと有るといった内容になるのかな?と思います。
ちなみに、これまた個人的な考えとしては百合であるという点で考えれば花が樹へ想いを寄せている時点で百合ですし、しっかりと対等な状況で想いをぶつけ合った結果としてヒロインが男性キャラと結ばれるのであれば-勿論、百合好きとしては寂しいですが-それはそれで納得できますけどね。
ゲーム的には活用が難しい発想を上手くゲームシステムに落とし込めるかどうか
一方でゲーム面ですが、悲劇的なループに陥った花がその状況から抜け出すには
- ”あなたの意思と操作で特定会話中に「選択肢を割り込ませ、運命を変える」必要があります。”
- ”次に選択肢を割り込んだあなたは実際に文字入力(タイピング)で「ワード」を入力する必要があります。 物語の中にある運命を変えるワードを「推察」し入力することで、悲劇を回避し、新しい運命が生まれるかもしれません。”
といった操作がプレイヤーに求められるとされています。確かに尖った要素ですし、発想としては面白いと思いますが・・・ゲームシステムとして落とし込むには相当に難しいとも思えます。
これに近い発想、システムを組み込んだ作品として「北へ。White Illumination」という作品が思い出されますが、かなり扱い辛いシステムであったためかなり不評でした。
”コミュニケーションブレイクシステム”と銘打って、会話中にプレイヤーがボタンを押して話に割り込めるという斬新なシステムだったのですが、実際にはノーヒントでフラグが立つシーンでボタンを押す必要が有り、初プレイで意中のヒロインと結ばれるのは至難でした
まぁ流石に「北へ。White Illumination」は大昔の作品(ハードがドリームキャストですからね(苦笑))なので、それを引き合いに出すのは酷でしょうが・・・・
ただ本作の場合、上記のような活用が難しい発想のシステムである上に自分でワードを打つ必要がある=そうしたワードを推理する必要もある訳で、かなり難しい気がします。
勿論、だからこそどう料理してくるのか・・・という意味で楽しみでも有りますけどね。
作風の好みは分れそうながら意欲的、挑戦的な百合ゲーなのは確か
と色々とチェックして行くと中々判断が難しい面のある作品だとは思います。ですが、百合作品で安牌にするなら登場キャラを全員女性キャラにすれば良い訳で、それを敢えて外しつつ大々的に謳った上で企画しているという事はかなり意欲的、挑戦的な想いで制作しようとしていること。
そういう意味では注目すべき作品なのは間違いないですし、今回の企画で無事に制作&評価が高ければ百合ADVの新しい傾向の代表作になるかも知れません。
先述したように判断が難しい所が有りますが、どんな作品になっていくのか先行きが面白い作品になりそうです。少なくとも記事執筆中に目標金額をブッチギリで超えているので、ユーザーの期待度はかなり高いのは確実ですしね。