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サーヴァント・ガール

※旧サイト(FC2ブログ)より転載

訪問者様から情報を頂いて読んでみた作品。

プロローグは難解な用語・・・"ホーキング輻射"やら何やらが頻出し挫折しそうになりましたが、主人公"静弦"が遠回しに「美少女に貶されるのって何かイイ・・・」と言い出した時点で、これは最後まで読める!と確信しました(笑)

アホか!(o ̄∇ ̄)=◯)`ν゜)・;'

はい、スミマセン。真面目に内容を纏めると
難解な用語が頻出するものの、大雑把な理解で問題無く読める。ストーリー、百合要素ともに質が高く、男性キャラも登場&活躍するが百合ップルである静弦&アリアの仲を裂くには至らない良作。
でしょうか。

まず肝心要の百合要素からですが、非常に良かったと思います。

主人公である静弦は最初こそ自らは異性愛者であると思っている-男性に告白した事もある-のですが、アリアにどんどんと惹かれて行きます。

まぁ美少女ゲームを好んでプレイしている辺り、下地は出来ていたとも言えますが(笑)

と言うか、作中で登場するスマホの美少女ゲームの一つは女性主人公バージョンも用意されているとの事ですが、何なんですか!その至れり尽くせりなゲームは!

「あたしを、お姉ちゃんの物にして・・・」

なんてセリフが飛び出すゲーム、是非プレイしたいよ!\(*`∧´)/ と、話が逸れました(笑)

こう書くとコメディくさいですが、静弦が美少女ゲームを好んでプレイするようになった経緯や理由はストーリー的に非常に重要かつ秀逸です。

作中でも言及されていますが、人間では無い存在に自らを全肯定される-この場合は美少女ゲーム-事に対する考え方や捉え方はとても面白く、アリアの関係とも相まってとても楽しめました。

一方アリアの方も最初こそ静弦を見下したり、誘惑したり(先述のゲームのセリフを言いつつ胸をはだけようとしたり)といった言動が目立ちますが、物語が進むにつれて機械奴隷という立場以上に静弦を愛するようになります。

キスシーンや文字通り一身同体になったり、といったシーンがある事や後書きで「人とロボットが恋をする話」と書かれている事から、百合作品として充分に楽しめる内容だと思いますね。

ストーリー的にはバトルが多めのアクション活劇的な作品だと思います。

戦闘描写には先ほどの難解な用語"ホーキング輻射"やら何やらが交えて描写されるため、少々難しいですが

  • 要はビームが撃てる
  • 要は瞬間移動できる
  • 要は愛でパワーアップする

といった理解で問題無いと思います(笑)

この辺りは格闘漫画で技の理屈を100%理解しないと楽しめない訳では無いのと一緒だと思いますね。

最後に男性キャラですが、以前に頂いた情報通り、結構登場&活躍します。そのため男性キャラが出るのは苦手、という方はちょっと考え所かも知れません。

まぁ先述した通り、静弦&アリアの仲を裂くには至らないので個人的には問題無く感じましたが。

と言うか、メインで登場する男性キャラ二人の内一人は、むしろ応援したくなったくらいですよ(苦笑)

百合好きとしては勿論、静弦&アリアのカップル成立が良い訳ですが・・・流石に彼の立ち位置は辛いでしょうよ、と。是非、彼には(静弦とアリアの仲を邪魔しない範囲で)幸せになって欲しいな、と思います。

以上でしょうか~。情報を頂いた段階では価格的な事からリスキーな面があると言及しましたが、個人的には価格に見合ったとても良い作品だったと思います。

今回、キリの良いラストを迎えたもののちょっとした謎が残った事もあり、続きを読んで見たいと思わせる内容でした。

百合好きとしては、また静弦&アリアのカップルのエピソードを読みたいところですが、純粋にお話として面白かったため別のキャラの視点でも良いので続きを読んで見たいとも思いますね。

魔法少女育成計画 JOKERS

※旧サイト(FC2ブログ)より転載 追記、修正

コミカライズやドラマCD化などの展開も行われ、着実に長期シリーズとなりつつある「まほいく」ですが、今作はシリーズの一つの決算と言える内容でした。

厳しい体験をし過酷な状況に身を置くスノーホワイト。
出世街道を爆走し着実に権力と発言力を手に入れるプフレとそれを危険視するシャドーゲール。
しぶとく暗躍を続けるピティ・フレデリカ。

これまでのシリーズで重要な役を担ったキャラ達が一つの事件を巡って行動する様はシリーズを楽しんできた者に取ってかなり面白かったです。

ただ、その一方で今作でもシリーズの伝統に則って多くの新キャラが登場した訳ですが、存在感が薄いまま退場してしまった印象のある新キャラは少なくありません。

この点もシリーズ伝統と言ってしまえばそれまでなのですが、先述した通り今作ではシリーズ通してのキャラが多数登場しており、どうしてもそのキャラ達との差が際立つと言うか、食われてしまっている感があります。

悪い言い方をすれば「このキャラ、出て来た意味あるの?」と言うような。

え?マジカロイド44?

いや、まぁ確かに彼女も相当に不憫な役どころではありましたがr(^^;) とは言え、全員が初登場と言える第一作とシリーズに何度も登場してきたキャラが多数いる今作では、やはり受ける印象が違うように感じます。

特に新キャラの中でも強烈な個性と活躍をしたキャラがいる事を考えると、一部のキャラの不憫さが際立ちます(T.T)

非常に面白かった本作ですが、この事を考えると2~3冊のボリュームで刊行するか、もしくはもう少しキャラ数が少なくても良かったのでは?と言う気もします。

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ノノノ・ワールドエンド

※旧サイト(FC2ブログ)より転載

訪問者様から教えて頂いた作品で、人を"気化"させる霧に世界中が閉ざされていき、人類滅亡が不可避な状況の中で二人の少女-ノノと加連-の交流を描く物語です。

百合的にはノノと加連の交流がメインと言うだけあって、かなり良いですね。

世界観が世界観だけにイチャラブ、と言う訳では有りませんが、ただ寂しかったというだけで加連と同行しようとしていたノノが加連を掛け替えの無い存在として求めていく様は、かなり来るものがあります。

特にその過程で、加連の言動に一喜一憂-加連に自分が認めて貰えているのかどうか-する心情や加連との交流-軽い口付けといったスキンシップも含めて-に喜ぶ心情は非常に素晴らしい。

滅び行く世界における少女二人の世界、というシチュエーションは昔の悲劇的な百合・・・いわゆる百合心中的な展開を思わせる面も有りますが、本作の場合は

  • 二人の想いは結局、誰にも邪魔される事は無かったこと
  • 滅びはほぼ全ての人類に等しく訪れている状況だったこと

という事もあり、切なくはあるものの、そこまで悲劇的な印象は無く個人的には思ったよりも楽に楽しめました。それに、あのエピローグは-受け取り方次第ではあるものの-希望を持たせる物でしたから。

翻ってストーリー的な面を見ると、完全にタイトル通りの内容「ノノノ・ワールドエンド=ノノの世界の終わり」であり、良くも悪くもノノの視点の物語で終始しており、そこは好みが分かれるかも知れません。

と言うのも、加連が世界を滅ぼす一因を作ったのは確かですが、それを実行に移した人間は別に居る。

だが、ノノからすれば「いかに最後の瞬間までより良く加連と過ごせるか」「いかに加連の想いや願いに応えていけるか」だけが大事で、そういった世界観や物語の真相はどうでも良いわけです。

そのため、ノノはそういった真相に限り無く近づくものの「加連への想い」が原因で衝動的に読者がその真相に触れる機会を永遠に奪ってしまう。

百合的にはかなり美味しい展開と言えるのですが(笑)、ややモヤモヤしたのは事実な訳でr(^^;)

また世界が滅ぶ原因も加連の口から説明はされるものの、"霧"については不明な点が多い感が強いです。

まぁ不明な点が多いからこそ、対策される事もなく世界が滅ぶ状況に陥った訳でリアルと言えばリアルですし、この手の解釈は管理人の理解力の低さが原因な事も多いので(汗)

纏めると
恋愛と明言されている訳では無いが、百合作品としてノノと加連の関係性は非常に良い。 ただ、物語として見るとあくまで二人の物語であり、「人類滅亡」という状況(物語)に対して二人が特別に活躍する訳では無く、そういう意味では盛り上がりに欠けるかも知れない。
といった所でしょうか。

一つのお話としては好みが分かれるかな?とも思いますが、個人的には二人の少女の物語・・・つまり百合作品として非常に楽しめました!

強いて何か言うとすれば、ハヤカワ文庫なので挿絵が全然無い事かな(笑)

他のライトノベル文庫だったらノノと加連の入浴+キスシーンは絶対にイラスト化されただろうに!(爆)

いやまぁ文章で情景を楽しむのが小説なので、挿絵が無いのが当たり前と言えば当たり前なのですが・・・そこは、ねぇ?(笑)

魔法少女育成計画 restart

※旧サイト(FC2ブログ)より転載 追記、修正

さて、非常に楽しませて貰った「魔法少女育成計画」の続編「魔法少女育成計画 restart」についての感想です。

キャラクターは一新されたものの時系列的には続編であり基本的なコンセプトも変わらないため、前作を楽しめた方は引き続き楽しめるかと思います。

ただ前作はストーリーの主旨が"生き残りを賭けたバトルロワイヤル"だったのに対し、今作は"魔法少女達がゲーム内に閉じ込められ、あくまで脱出が目的"がストーリーの主旨となっています。

そのためお互いを明確に敵と認識して戦うというシチュエーションは減り、どちらかと言えば不審な死を遂げた魔法少女について考える、誰が犯人かを考えるといった、ある種の"サスペンス"や"ミステリー"な要素が強くなったように思います。

また戦死というよりも闇討ちや謀殺によって死亡するキャラが増えたため、戦闘による盛り上がりが減り派手さはやや欠ける面があります。

とは言え、前後編になりボリュームが増えたことや最後まで黒幕が分からないことなども相まって心理的な動きは前作以上に面白くなったと思います。

この辺りは好みが分かれるかとは思いますが、面白い作品である事は変わらないですね。

では、肝心な百合要素に関してはどうでしょうか。

個人的には、分かりやすい関係性や描写が無いため百合要素を楽しむと言う観点においては前作よりハードルが上がったように感じます。 ・・・こう書くと百合を楽しめないように思われるかも知れませんね。

ですが、ここは誤解しないで欲しいのですが、本作は百合要素が"無い"のではなく"分かり辛い"のです。

まぁ描写が少ないのは否めないところではありますが・・・ただその分、その少ない言動が強く印象付けられました。

特に、冷酷ささえ感じさせて冷徹に事を進めてきた魔法少女プフレが終盤で
「護(相棒の魔法少女)さえいればなんだっていいと思っていた私が」
といったようなセリフをさり気無く言う辺りとか!

また別の魔法少女のエピソードでは、男性キャラに惹かれていたのはその男性がかつての友人である魔法少女と似ていたからなど、非常に変化球な百合要素もあります。

以上のように百合要素に関しては決して分かり易いとは思えません。

ですが、キャラの言動を吟味していくと百合的な感情が潜んでいるのでは?と強く思わせる描写が所々にあり、その描写について百合的にどうなのかと考えるのはとても楽しいです。 いわゆるスルメ的な味わいのある作品だと思います。

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あるゾンビ少女の入学

※旧サイト(FC2ブログ)より転載、修正、追記

さて、今回は「あるゾンビ少女の災難」の続編である「あるゾンビ少女の入学」を語ります。

正直、百合的には厳しい展開になっていると言わざるを得ませんので結論から言います。

百合目的で読むのはもちろん、作品的にも前作の続編と思って読むのは厳しい

では詳細に語っていきましょうか。

百合的な見所も少しはあるが、実質的に男性主人公になっている事もあって百合作品として読むには辛い

まず百合要素ですが、見るべき所が全く無い訳ではありません。

ユーフロジーヌが前作で死闘を演じた相手である眞子に想いを馳せるシーンやヒロインの一人である穂稀が親友の瑠佳を傷付けられて激昂し自分の身(命)も顧みず敵に立ち向かうシーン、ゾンビ少女の一人がある女性に強い友情を感じていた事などは見所だと思います。

が、作品の趣が学園男女ラブコメと言った雰囲気になっていること、上記のシーンはⅡ巻でのごく一部であることなどを考えるとそれほど楽しめるとは言えないです。(前作では主役の一人と言えたアルマはほとんど登場しませんし)

少なくとも完全百合目的で読むにはコスパが悪過ぎますね。

ではストーリー的にはどうでしょうか。

先述した通り"続編"と思って読むと、あまりに作品の趣が異なり違和感が非常に強いと思います。

決して面白く無い訳では無いのですが・・・やはり"続編"だと思うと別モノ感が拭えない。正に、これ何て聖闘士星矢オメ)ry ゲフンゲフン!

射手座の黄金聖闘士になった古谷さんボイスの星矢で思う存分戦えるのは嬉しいですが。

冗談はともかく本当に変更点が多いです。順に挙げていくと

  • 主人公が実質的に変更されている
  • 今回、”指宿孝晴”という男性キャラが登場するのですが、作品の多くがこのキャラの視点で描かれ実質的に主人公と言って良いポジションに居ます。

    そのため前作の主人公ユーフロジーヌはヒロインの一人といった印象が強いです。またこの変更によって作品のジャンルとしては先述した通り、学園男女ラブコメとなっています。

    しかも孝晴に対してヒロインのほとんどが恋愛感情、好意を持つという非常にラノベらしい学園男女ラブコメとなっていますね。

  • 世界観、設定が変更されている
  • 厳密には変更では無く"追加"というべきかも知れませんが・・・何にしろ前作では基本的に"ゾンビ"はユーフロジーヌだけだったのに対し、今作からはゾンビは(一般人には知られていないものの)当たり前に登場する上、案外簡単にゾンビ化する世界観、設定になっています。

    そもそも学園の設定がゾンビを処理する"重殺士"の養成所で、それに協力する"協賛生"がゾンビという設定ですからね。

    そのため"未知の化物"、"有り得ない存在"であるユーフロジーヌに殺されるかも知れないというゾンビホラーテイストだった前作とは凄まじい違いがあります。

  • 描写の変更
  • 前作を読まれた方ならご存知かと思いますが、前作での描写・・・特に人の死様や戦闘などの描写は凄惨なものでした。ユーフロジーヌと眞子のラストバトルに至っては互いに身体を削り合う凄惨極まるものでした。

    正直、アニメ化の際にまともに描写できるか心配になるほどにr(^^;)

    が、今回はそういった描写はほとんどありません。(そもそも人があまり死にませんし)

    そのためか戦闘も前作のような"死闘"といった趣は無いですね。グロい描写が減ったので読みやすくなったとは思いますが、前作と同じような戦闘の盛り上がりを期待するのは厳しいです。

  • アルマの言動
  • 今回、ユーフロジーヌが"入学"する発端はアルマが役所に通報したせいなのですが・・・この経緯には少々違和感があります。

    確かにいつ火あぶりにされてもおかしくない学園に入学する事をユーフロジーヌが受け入れるハズも無く、半ばハメるような形で入学させたのは彼女らしいと言えば彼女らしいです。

    が、しかし入学の目的である"遺物探し"をユーフロジーヌに丸投げというのは、流石に杜撰かつ冷淡に過ぎるのでは無いかと。

    と言うのも火あぶり云々もそうですが彼女がユーフロジーヌであると言う事が露見すれば、その身体が錬金の秘奥であると言う事は勿論、前作での惨殺事件の関与を疑われる可能性もあり、自らの主人が危機的状況に陥る事は想像に難くありません。

    ユーフロジーヌに携帯電話を与えたり脱出の手筈を整えていたりと対策は施していたようですが、それを考慮してもあまりに計画が杜撰過ぎると言わざるを得ませんし、そもそも携帯で連絡を入れられると言ってもアルマ自身は遺物入手の報が入るまで屋敷で待機していた訳ですから冷淡な印象は拭えないです。

    またアルマの言動に違和感を感じる点はもう一つあります。

    それは人間に対して、です。

    今作、ユーフロジーヌと指宿孝晴は親交を深め、アルマもそれを認めるのですが・・・前作であれだけ人間に対して強い警戒感と敵意を抱いてた事を考えると、あまりにあっさり信頼するなぁ~というのが正直な感想です。

    前作での殺人の原因がアルマの人間に対する不信感であるという面が少なからずある事を考えると、一体全体あの殺人事件は何だったんだろうという気にさせられます。

    今回のアルマの言動に関しては”それだけユーフロジーヌを信頼している””学園に同行(潜入)しても足手まといになると判断した””入学までの潜伏期間中に人間(現代日本人)を見てきて信頼に足ると判断した”などの想像を巡らす事も出来ますが、アルマの出番はほとんどなくその心情が語られる事も無いため真相は闇の中です。

    ついでに言うとラストでアルマは屋敷に返されてしまうので今後続刊したとしても出番は少ないと考えられ、その心情が語られる機会は得られそうにありません。

    百合、ストーリーとも前作と違い過ぎて、別モノと思って読まないと読めない

    以上でしょうか。つらつらと書いてきましたが、やはり前作と趣が違い過ぎて百合云々を差し引いても素直には楽しみ辛いです。

    管理人は途中から「”~災難”はヒロインの一人であるユーフロジーヌの過去を描いたスピンオフ作品である」と思って読んでましたしw

    まぁ管理人が学園男女ラブコメというノリが苦手というのも大きかったでしょうけどね。

    正直、Ⅰ巻は途中で投げそうになりましたしr(^^;)(Ⅱ巻からは話が動き出して面白くなり、スラスラと読めましたが)

    しかし・・・ほんとなんでラブコメなんだろう。前作でユーフロジーヌが男性キャラに篭絡させられそうな描写があったので、続編で男性と恋仲になっていく・・・”ラブロマンス”になる可能性はあるなぁ~とは思っていましたが・・・。

    今後続刊していくかどうかが分からないので何とも言えない部分もありますが、今回の「~入学」に限って言えば作品の趣が異なる事や百合要素が薄くなったため、少々オススメし辛いです。

    作品として決して面白く無いとは思いませんし、読みやすくなった面もありますが「~災難」のような趣を求めて読むのは止めた方が良いでしょう。

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    あるゾンビ少女の災難 – 百合ゲーム時々、他事語り

    第1巻 公式サイト(試し読みページ)

    あるゾンビ少女の入学 I | あるゾンビ少女の入学 | 書籍情報 | スニーカー文庫(ザ・スニーカーWEB)

    アニメ公式サイト

    ラノベ版発売から5年以上も経過してようやく公開されるという(苦笑)

    あるゾンビ少女の災難

    『あるゾンビ少女の災難』予告編

    あるゾンビ少女の災難 アニメ化決定特報PV

    2012年に公開されたPV。個人的にはこちらのキャラデザインの方がイメージに合っていたんですけどね(苦笑)

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あるゾンビ少女の災難

※旧サイト(FC2ブログ)より転載、修正、追記

※管理人が購読したのはⅠ、Ⅱ巻で分割販売されたスニーカー文庫版です。

さて、以前にオススメして頂いた「あるゾンビ少女の災難」。遅まきながら読了しました。

で、まずは言いたい事が一つ。

「本当に災難だったのは寮の管理人さんやーー!」

・・・オススメして頂いた際に「ユーフロジーヌ(ゾンビ少女)がうっかり人を殺したりする」と言うお話は伺っていましたが・・・おっちゃん、マジで災難過ぎる(。´Д⊂)

と、話がいきなり迷走・・・と言うか転倒しましたねr(^^;)

作品としてはコメディチックな所を見せながらもゾンビホラー

さて、真面目に話しますと、この作品は正味のゾンビホラー作品です。

ラノベ版の可憐なイラストやユーフロジーヌの口調と性格に騙されそうになりますが・・・本作はゾンビホラーです。

なので孤立無援の場所で、人間が酷い死に方をします。銃殺などは可愛い方で、腕をもぎ取られた挙句に頭を潰されたりとか(ゾンビサイドのユーフロジーヌも頭が吹っ飛んだりしますが)・・・先述したようにゾンビホラーなテイストが満載。

またユーフロジーヌ&アルマの二人は過去の経緯から、人間に対し敵であると言う認識を持ち、基本的に殺害する対象としています。(特にアルマ)

こういったゾンビ(人外)サイドと人間サイドに和解の余地が無いと言う点でも、ゾンビホラー作品と言えます。そのため、こういったゾンビホラーの要素が苦手な方は要注意でしょう。

百合としてはユーフロジーヌとアルマの主従関係が見どころ!

と、上記のような事を書くと百合要素が奈辺にあるのか分からない作品のようですが・・・これは以前に訪問者様に教えて頂いた通り、ユーフロジーヌとアルマの主従関係ですね。

普段は軽口を叩きながら主人であるユーフロジーヌを手玉に取っているアルマですが、彼女からの贈り物を大切にしていたり、重要な局面では彼女に「わたくしのお嬢様」と言ったりと、並々ならぬ愛情を持っている事が伺えます。

またユーフロジーヌもアルマを傷付けられた時の怒りは凄まじく、それまでは殺人を躊躇していましたがその後は復讐の殺人鬼と化します。しかも、その様は怒り狂いながらも狂者特有の冷静さを併せ持ち、恐怖と同時にアルマへの愛情を強く感じさせます。

また、こういった後半部分の重いエピソード以外も百合百合しい所があります。

例えばユーフロジーヌの腹中にある石の有無を確認するために、アルマがお腹を覗き込んだりするシーン。

「やだ、壊れちゃう」とか「(ユーフロジーヌの腹中を見れて)眼福でした」とか! 挿絵イラストと合わせて妙にエロいですw

あと必要に迫られてですが、二人のキスシーンもありますね。(こちらも挿絵イラストが妙にエロいw)

唯一マイナスな要素として、作中でアルマが「お嬢様との同性愛的な関係は断固として拒否します」と言う場面があります。

まぁ、これは二人の軽口の応酬で出てきた言葉ですし、この後に「私の唇を奪ったのに」みたいな事を言ったりするで、百合妄想を決定的に妨げる物では無いと思いますが・・・ちょっと残念ではあります。(百合が前提の作品ではないので、こういった言動が出てもおかしくは無いのですけどね)

全体的には楽しめたが、一部の設定がちょっと引っ掛かるかな

まとめるとお話的にも百合的にも楽しめました。

ただ・・・設定で素直に楽しめない点が。

例えば人間サイドで由衣と言うキャラが登場するのですが、このキャラの設定がどうしても納得いかないんですよね。

このキャラは、生身でしかも格闘でユーフロジーヌに対抗できるほど強いのですが、それは講座で空手や拳法をやっていたからと言う理由なんですよ!

いやいやいや!幾ら身体強度は人間とさほど変わらず、かつ心身ともに戦闘の心得が無いとは言え、アルマ曰く「アフリカ象を殺せる」ユーフロジーヌと互角に戦えるキャラクターの設定がそんな設定と言うのは・・・。

このキャラ以外にユーフロジーヌに対抗したキャラクターは、その強さの設定にある程度の説得力を感じましたが・・・。流石にこれはもうちょっと説得力のある設定にして欲しかったと思いました。

またアルマの身体に関しての重要な設定-アルマの命に関わる設定-がアルマ自身によって語られるのですが、最終的にその設定に関するフォローがありません。

状況的にアルマの嘘であった可能性も高いですが・・・それなら明言して欲しかったところです。

以上でしょうか。人を選ぶ所が強い作品ではありますが、ユーフロジーヌとアルマの主従関係は百合的に充分に楽しめる作品だと思います。

あ、あと2012年冬に「あるゾンビ少女の入学Ⅰ+Ⅱ」が発売されるそうです。

ラストシーンの事を考えると-恐らく続編である-この作品のタイトルは自然な流れではありますが・・・こちらは百合的にどう転ぶか未知数です。

こちらも購読しようと思うので、その時は記事にしたいです。その頃にはアニメ化に関する情報も出始めているでしょうしね。

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第1巻 公式サイト(試し読みページ)

あるゾンビ少女の災難 I | あるゾンビ少女の災難 | 書籍情報 | スニーカー文庫(ザ・スニーカーWEB)

アニメ公式サイト

ラノベ版発売から5年以上も経過してようやく公開されるという(苦笑)

あるゾンビ少女の災難

『あるゾンビ少女の災難』予告編

あるゾンビ少女の災難 アニメ化決定特報PV

2012年に公開されたPV。個人的にはこちらのキャラデザインの方がイメージに合っていたんですけどね(苦笑)

元々は2007年発売のハードカバー本だったのが、アニメ化決定に合わせてラノベとして1、2巻として発売されたようですね。

姫騎士征服戦争

※旧サイト(FC2ブログ)より転載 追記、修正

いろんな意味で物議をかもした深見真先生の新作。

で、読了した感想ですが

思っていたより楽しく読めたものの、期待していた作風と大きく異なる点も多々あり

でしょうか。

まず百合要素に関してですが、主人公ルアナが姫騎士を調教説得して自分の隷下に置いて行くと言うのが基本的なお話の流れになっているため悪くなく、ここは期待通りに楽しめました。

説得された姫騎士はルアナにデレデレになりますしねw

では何が期待と違ったのか?

それはやはりベニーの存在・・・と言うより設定でしょう。

ベニーはルアナに対してあくまで部下として忠誠を尽くす姿勢を貫いているため、少なくとも今回の第1巻時点では百合的な楽しみを直接的には阻害していません。

が、以前に訪問者様から頂いた情報通り、ベニーの設定が強過ぎる。

いや、確かにベニーも戦闘で負傷するシーンがありますし、設定的に"生体蒸気"なるエネルギーが存在する事を考えると、ベニーの武術の強さには一定の説得力があります。

冒頭に"思っていたより楽しく読めた"と書きましたが、これはこの点に対する想いが強いです。

とは言え・・・それはベニーと周囲の強さのバランスがケンシロウVSモヒカンだったと思っていたのがケンシロウVSデビルリバースだったくらいの差異で、やはりベニーの強さがバランスブレイク寸前に突出している感は否めません。

第1巻では抑え気味なところがあり一定の緊張感や説得力がありましたが、今後の展開が「ベニーが本気出せば解決」みたいな状況になっていくようでは少々味気無く思います。

またベニーが主人公ルアナの活躍を奪う形になっている事も気になる点の一つ。

特に視点がベニー視点で進むパートが多く、これがその印象に拍車をかけています。

これは作品その物に問題があると言うより広報に問題があるように思います。

管理人がWeb公式サイトで感じた印象は「女性主人公であるルアナが大活躍しつつ、それに振り回されるベニー達、部下の面々」と言う印象でした。

が、フタを開けてみれば最終的にはベニー視点描写多め+武力的には多少の苦戦をしつつもベニーが他を圧倒して解決と言うもので、予想と期待とは結構なズレがありました。

作中の中盤における戦闘描写で"騎士"の姿勢をベニーが技で崩し、そこをイアンが力で叩き伏せるというシーンを見た時は「何だ、思ったよりバランスの取れた戦力関係じゃないか。」と感じ、訪問者様の情報(認識)が過大だったんじゃないか?とすら思ったものですが・・・。

直接には確認を取れていないものの、本作は雑誌ではベニーのハーレム物のようなニュアンスの紹介がなされていたと言う情報もあり、どうも本作の広報にはチグハグな印象を受けます。

作品的には充分に楽しませてもらいましたし、ベニーも決して悪いキャラだとは思いません。

しかし、事前の印象とかけ離れた印象を受けた面も多く途惑ったのは確か。

百合的にも物語的にも今後の展開と方向性次第で評価が分かれる作品だと思います。

※記事を転載した2017年7月現在 続刊する気配は無いため、打ち切られた可能性が高いです

「姫騎士征服戦争」公式サイト

富士見書房 | 姫騎士征服戦争