※旧サイト(FC2ブログ)より転載
訪問者様から教えて頂いた作品で、人を"気化"させる霧に世界中が閉ざされていき、人類滅亡が不可避な状況の中で二人の少女-ノノと加連-の交流を描く物語です。
百合的にはノノと加連の交流がメインと言うだけあって、かなり良いですね。
世界観が世界観だけにイチャラブ、と言う訳では有りませんが、ただ寂しかったというだけで加連と同行しようとしていたノノが加連を掛け替えの無い存在として求めていく様は、かなり来るものがあります。
特にその過程で、加連の言動に一喜一憂-加連に自分が認めて貰えているのかどうか-する心情や加連との交流-軽い口付けといったスキンシップも含めて-に喜ぶ心情は非常に素晴らしい。
滅び行く世界における少女二人の世界、というシチュエーションは昔の悲劇的な百合・・・いわゆる百合心中的な展開を思わせる面も有りますが、本作の場合は
- 二人の想いは結局、誰にも邪魔される事は無かったこと
- 滅びはほぼ全ての人類に等しく訪れている状況だったこと
という事もあり、切なくはあるものの、そこまで悲劇的な印象は無く個人的には思ったよりも楽に楽しめました。それに、あのエピローグは-受け取り方次第ではあるものの-希望を持たせる物でしたから。
翻ってストーリー的な面を見ると、完全にタイトル通りの内容「ノノノ・ワールドエンド=ノノの世界の終わり」であり、良くも悪くもノノの視点の物語で終始しており、そこは好みが分かれるかも知れません。
と言うのも、加連が世界を滅ぼす一因を作ったのは確かですが、それを実行に移した人間は別に居る。
だが、ノノからすれば「いかに最後の瞬間までより良く加連と過ごせるか」、「いかに加連の想いや願いに応えていけるか」だけが大事で、そういった世界観や物語の真相はどうでも良いわけです。
そのため、ノノはそういった真相に限り無く近づくものの「加連への想い」が原因で衝動的に読者がその真相に触れる機会を永遠に奪ってしまう。
百合的にはかなり美味しい展開と言えるのですが(笑)、ややモヤモヤしたのは事実な訳でr(^^;)
また世界が滅ぶ原因も加連の口から説明はされるものの、"霧"については不明な点が多い感が強いです。
まぁ不明な点が多いからこそ、対策される事もなく世界が滅ぶ状況に陥った訳でリアルと言えばリアルですし、この手の解釈は管理人の理解力の低さが原因な事も多いので(汗)
纏めると
恋愛と明言されている訳では無いが、百合作品としてノノと加連の関係性は非常に良い。 ただ、物語として見るとあくまで二人の物語であり、「人類滅亡」という状況(物語)に対して二人が特別に活躍する訳では無く、そういう意味では盛り上がりに欠けるかも知れない。
といった所でしょうか。
一つのお話としては好みが分かれるかな?とも思いますが、個人的には二人の少女の物語・・・つまり百合作品として非常に楽しめました!
強いて何か言うとすれば、ハヤカワ文庫なので挿絵が全然無い事かな(笑)
他のライトノベル文庫だったらノノと加連の入浴+キスシーンは絶対にイラスト化されただろうに!(爆)
いやまぁ文章で情景を楽しむのが小説なので、挿絵が無いのが当たり前と言えば当たり前なのですが・・・そこは、ねぇ?(笑)
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